スーパーに売ってる「赤魚」って何ぞ?? ~ちょっと気になる魚の雑学1~
今日スーパーに寄ったら、お魚コーナーに「赤魚」っていう表記で切り身が売られてたんです☝。なにあれ怖い。ざっくりしすぎてませんか。正体教えてかいえんまる。
とうとう気づいてしもたんやな….来たかアカウオについて語る時が!!!
さて本日は、スーパーの一角でよく目にする、「赤魚」について調査して行きたいと思います。これ何の魚なんだろう?と思っていた読者の皆様。今日きっと正体がわかります。
「赤魚」とは?
種類名を明記せずに「赤魚」というなんとも怪しい表記で売られているこの魚。頭が落とされ、切り身で売られていることがほとんどで、どんな顔をしてるのか、何の種類なのか、そもそも魚なのか、詳細を知っている人は少ないのではないでしょうか。
この正体、実は何種類かの魚の総称として「赤魚(アカウオ)」としてまとめて売られています。
「赤魚」として売られている種類は下記の4種がほとんどを占めます。
- アラスカメヌケ
- タイセイヨウアカウオ(モトアカウオ)
- アコウダイ(赤魚鯛)
- チヒロアカウオ
全部赤いメバル科メバル属の仲間やで。アコウダイ以外が海外産やからほぼ冷凍でしかお目にかかることがないな。
アコウダイは関西でいうアコウ(正式名称:キジハタ)とは別種です。詳しい生態については後ほど解説!
なんで表記が「赤魚」なの?
そもそもなぜ赤魚としてまとめられているのでしょうか。理由はズバリ2つ。
理由その1:見た目と味がよく似ているから
4種類の「赤魚」たちですが、これらの魚は見た目と味がよく似ています。このため、消費者にとって特定の種類を意識せずに購入してもらうための販売方法として確立されています。細かく名称を分けても、ただ消費者が混乱するだけになってしまうということですね。
また、消費者庁から出されている、魚介類の名称のガイドライン(生鮮食品)(外部リンク)にも赤魚と呼んでよい魚として上記の赤魚たちが登録されています。
「アラスカメヌケ」安いで~て書かれても何それ?ってなるわな。
理由その2:安定供給が可能になるから
安定供給にも一役買っており、「赤魚」とまとめてしまうことで年間を通じていつでも手に入れることができます。また、供給量も当然多くなるので安価に提供でき、日本の食卓を安定的に支えるという素晴らしい販売モデルになっているというわけです。
どんな味?どんな料理がおいしいの?
シンプルな白身魚なので、日本の料理とは相性が非常によいです。
- 煮つけ
- 味噌漬け
- 干物
- 焼き魚
適度に脂がのっているため何にしても安定感のある味を引き出せます。
調理の際、身崩れが少ないわりに、身はふっくらした食感が特徴で、カサゴやメバルに似た味わいですね。白身魚特有の低カロリー、高タンパクな食材でダイエットにも◎。(給食でも食べてたような・・・)
各魚種の詳細解説!
①アラスカメヌケ
出典:YouTube
基本情報
学名: Sebastes alutus 和名: アラスカメヌケ
英名: Pacific Ocean Perch 分類: スズキ目メバル科メバル属
外観と特徴
体長は、50cm程度の大きさまで成長する。体は鮮やかな赤色を基調とする。体高があり、側へんした形状をしており、体側に茶褐色の斑紋がみられる個体が多い。完全に大きな赤いカサゴ。
生息域
水深100-450mの岩礁・砂礫域に定住する。アラスカ湾、ベーリング海、アリューシャン列島、ブリティッシュコロンビアから宮城県沖、南カリフォルニアまで生息地を広げる。日本では、北海道・福島・宮城・岩手県の沖合いで釣れることがあるらしい。日本の食卓に並ぶのは、アラスカ湾で取れた個体が多い。
生態
初夏から夏にかけて比較的浅い海域(150-300m)に移動をする。そして、初秋からより沖合の深い海底(300-450m)に潜り、次の年の5月ごろまで生息する。卵胎生の魚として知られ、冬の時期に胎内に産卵・受精し、4~5月に産卵を迎える。
餌は、オキアミ、ハダカイワシ類、端脚類、カイアシ類を捕食する。
深海に住んでて地上に上げられると、目ん玉飛び出るから「目抜け」なんやな。
②タイセイヨウアカウオ(モトアカウオ)
ノルウェーの方のHITシーン。
基本情報
学名: Sebastes norvegicus 和名: タイセイヨウアカウオ(モトアカウオ)
英名: Golden redfish 分類: スズキ目メバル科メバル属
外観と特徴
体長は、40cm前後が多いが、大きいもので100cmとなることがある模様。
体はやや黄色がかった赤色をしており、模様はない。体高があり、側へんした形状をしている。冷たい海に生息するため、成長が遅く40cm程度になるのに約10年の年月を要する。寿命は60年と見られる個体もおり、非常に長寿である。
生息域
水深100-500 mの岩礁・砂礫域の海底付近に生息する。
ヨーロッパ スペインからノルウェー、グリーンランド、スバーバル諸島、バレンツ海、北米大陸北部東沿岸、カナダ、ニュージャージー 周辺を生息域とする。
生態
オキアミ、カイアシ類、ヤムシなどを餌とする。成長すると、シシャモ、ニシンやタラの幼魚などのベイトも食べるようになる。群れで行動することがほとんど。
他のカサゴ類のように卵胎生種である。雄はバレンツ海では9月ごろ、アイスランドとグリーンランド沖では10月から1月に生殖をおこなう。
1964年に西ドイツのセミポスタル切手になったそうな。
③アコウダイ(赤魚鯛)
出典:YouTube
基本情報
学名: Sebastes matsubarae 和名: アコウダイ
英名: Rose fish 分類: スズキ目メバル科メバル属
外観と特徴
体長50cmほどまで成長する。体色は非常に明るい赤色をしている。腹部はやや白い。若い個体ほど、背側に明瞭な暗色斑が見られる。アラスカメヌケと非常によく似ているが、眼窩下に棘が見られることで見分けが付く。
背びれの棘数が13で尾ビレ後縁が少し切れ込んだ形状となる。目の下に2つの小棘があり、「オオサガ」と呼ばれる同じ赤い大きなカサゴと見分けが付く。
近年は、漁獲高が激減し、高級魚として扱われている。
生息域
水深500-700mの岩礁・砂礫域の海底付近に生息する。日本において、太平洋側では、青森県から高知県沖、日本海側では新潟県から山口県に生息するとされている。特に相模湾や駿河湾に個体数が多い。春から初夏の頃はやや浅い300~500mに上がってくるため、比較的釣りやすくなる。
生態
エビやイカ、その他ベイトを捕食する。こいつも卵胎生である。繁殖期は12月から4月ごろとされる。繁殖期になると水深200mほどの場所まで上がってきて10万-30万個の卵をメスの体内で孵化する。孵化直後の幼魚は約4mmほど
マメ知識
・日本では古くから食べられている魚で、江戸時代の生物学書「大和本草」にも記載されている。
・刺身、しゃぶしゃぶ、鍋、煮つけ、揚げ物何にしてもOK。マジでうまいらしい。
「鯛」の名前が入っているのは、関西のアコウ(キジハタ)と区別するためという説もあるで。また、赤魚として売られていることは最近はほとんどないみたいや。
④チヒロアカウオ
出典:YouTube
基本情報
学名: Sebastes mentella 和名: チヒロアカウオ
英名:Atlantic Redfish 分類: スズキ目メバル科メバル属
外観と特徴
体長は大きいもので、40cmと、他3種と比べて最も小さい種類となる。体はやはり赤く、少し細長い形状をしている。
前眼窩骨には2本の棘があり、上顎の上に1つまたは2つの棘がある。
また、背鰭には14-16本の棘と13-17本(通常は14または15本)の軟条があり、臀鰭には3本の棘と7-11本(通常は9本)の軟条がある。
生息域
水深約300-1400mの岩礁・砂礫域の海底付近に生息する。北大西洋に生息している。バフィン島からノバスコシア、グリーンランド、アイスランド周辺、アイスランド・フェローズ脊梁、ノルウェーのスバールバル、ヤンマイエン、バレンツ海にかけて分布している。
生態
エビやイカ、その他ベイトを捕食する。こいつも卵胎生である。繁殖期は12月から4月ごろとされる。
情報が少ない!こやつも60年と非常に長生きや。
終いに!
さてせんちょ、スーパーの赤魚これで怖がらずに済みそうかね。
駿河湾…200m…しゃぶしゃぶ…..目の下に2つの小棘……!!!
あかんこいつアコウダイ釣りたすぎて聞いてない….釣果ログ楽しみにしとくな(笑)
ほな皆さん次回の記事でお会いしましょう!さらば!