お肴図鑑!

【お肴図鑑#02】太刀魚(タチウオ)解説

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かいえんまる
かいえんまる

さぁ第2回お肴図鑑、洲本名物タチウオを解説していくで!!

せんちょ
せんちょ

7月ごろから釣りシーズンスタート!うち等も秋冬いつもお世話になってます!(お肴図鑑企画生きててよかった涙)

かいえんまる
かいえんまる

洲本にも、2mを超える神龍と呼ばれるヌシが居るとされていてな…果たしてせんちょが釣り上げる日は来るのだろうか….

せんちょ
せんちょ

ネット上に転がっている情報で最大サイズはどんなもんなのか!?神龍の予習しとかないと!早速見に行こうかいえんまる!

基本情報

お肴ランク
  • 捕獲難易度:
    群れに当たれば結構釣れる。時間を絞る必要あり。 
  • 美味しさ: 
    何にしてもめちゃ美味い。
  • レア度:
    割と一般的。秋冬は結構見かける。
  • 学名:Trichiurus lepturus   
  • 和名:タチウオ(太刀魚)
  • 英名:Largehead Hairtail,Cutlassfish   
  • 分類:スズキ目 タチウオ科 タチウオ属

日本では、食用として古くから愛されてきた秋の食卓を彩る風物詩である。名前の通り太刀のような細長く美しい銀白色の光沢をもった魚として知られる。釣り物としても非常に人気が強く、体の厚さを指の本数で表現することが多い(例:指5本 5Fなどと表記)。肉食魚であり、時には、群れの中で共食いをするほどの獰猛さを持つ。歯が非常に鋭いため、調理の時まで注意が必要。

生体情報

外見の特徴

形状

太刀のように細長くかつ平たい形状をしている。尾の先は非常に細くなっており、尾の先端は、5㎜径程度まで細くなっていく。背側には、頭部の後ろから尾まで背びれがあり、ウェーブ状に動く様子が見られる。

またその形状から巨大な個体は「ドラゴン」と呼ばれ、アングラーの間で非常に人気の高い魚種となっている。

体色

一般的な体色は、銀白色で強い光沢をもつ。この銀白色は、「グアニン」という成分に由来する。タチウオの皮膚細胞の中には、微細なグアニン結晶を多量に含んでいる。この結晶が複数層で光を反射することで銀白色の光沢を生み出す。タチウオは、一般的な魚と同じような明確な鱗というものを持たない。このため、皮膚の表面が直接光を反射し強い金属的な輝きを見せる。

銀白色の光沢は、周囲の光を反射することで、海中で背景に溶け込み捕食者や獲物から目立ちにくくなる役割を持つ。

また、大きな個体になると、頭部に紫~黒色の配色が入ることが多い。背側の尾の先まで黒くなる個体もよく見かけられる。

かいえんまる
かいえんまる

銀白色が映えますなぁ。対して、せんちょの指、黒www

鋭い歯

イワシ類、サバ類、アジ類などの小型回遊ベイトを捕食するタチウオは非常に鋭い歯を持つ。

歯の数は、個体やサイズによって異なる。一般的には、上顎と下顎にそれぞれ2~4本程度の大きな牙状の歯(哺乳類でいう犬歯の位置)が生えている。この歯は、獲物を初撃で仕留めるための役割を持つと考えられる。

また、両顎の歯を合せると、小さな鋭い歯と牙状の歯を含めて~40本程度の歯の数が一般的と考えられる。

せんちょ
せんちょ

嚙まれるとクソ痛いので、釣れた時は首のあたりを持つか、フィッシュグリップを使いましょう。エラの奥に棘があるのでエラの中に手を突っ込んで持つとクソ痛いです。

かいえんまる
かいえんまる

完全に実体験情報やな….捌くときも注意やで。

大きさ・重さ

サイズ

標準的なタチウオのサイズは、70~100cmくらいの全長を持つ。太さは指3~4Fくらい。重さでいうと大体500gいかないくらい。

ネット上で確認できた世界最大のタチウオサイズは、写真で残っているもので、210cmを確認できました!(写真記載交渉中)重量にするとおそらく、5㎏前後となる模様。でかすぎワロタ。

せんちょ
せんちょ

でかすぎて恐怖を覚える。生物的な危険を感じる。

かいえんまる
かいえんまる

捕食対象者側の意見!? これはマジもんの龍・・・鹿児島錦江湾の主クラスは250cmを超えるらしい。

大きさの計測方法

タチウオの大きさの計測方法は、全長・重量の他に、独特のパラメータを持つ。指の本数で胴の太さを表現する方法である。各メーカーからも体高計測用のタチウオスケールが売られているほどである。重量に関しては、タチウオ釣りではあまり重要視はされておらず、指の本数計測が割と一般的。

せんちょ
せんちょ

タカ産業さんのドラゴンスケールが好き。

当ブログでも指5本だなんだかんだと騒いでいるように、大きなタチウオは「ドラゴン」と呼ばれている。(釣りメーカーシマノでもドラゴンダービーという大会があったり。)そしてさらに大きいものは、畏敬を込めて「神龍」と呼ばれる。

かいえんまる
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「神龍」の元ネタは鳥山明先生のドラゴンボールらしい。

ギャリック砲が好き。

「ドラゴン」も「神龍」もその定義は、厳密には決まっていない。アングラーの間で一般的に言われている大きさの基準は下記のサイズを指すことが多いようだ。

ドラゴン
  • 120cm以上の全長
  • 腹部の体高 大人の指5本以上
神龍
  • 140cm以上の全長
  • 腹部の体高 大人の指8本以上

生息地

世界の生息地

世界中の温帯から熱帯の海でかなり広範囲に生息する海水魚である。GBIF(Global Biodiversity Information Facility)のデータベースでは、ヨーロッパ以北の緯度では、個体数はめっきり数を減らす様子が確認できる。温暖化の影響で、海水温が上昇しその生息範囲は広がっていると予測されている。

日本の生息地・特に有名な場所

沿岸部の~150m程度の深さの場所に生息する。日本海側の東北以北・北海道周辺では、個体数が減る模様。(寒流には乗ってこない)それ以外の近海沿岸では、どこでも生息している。特に、

  • 大阪湾(近畿地方)
  • 駿河湾(中部地方)
  • 東京湾(関東地方)
  • 錦江湾(九州地方)
  • 紀伊水道(和歌山・徳島周辺)
  • 沖縄地方※

上記の場所はタチウオの魚影が非常に濃く、人気の釣り場として有名。

※近縁種とされる魚に「オキナワオオタチ」と呼ばれる通常種より大型のタチウオが存在する。沖縄周辺では、このオキナワオオタチを狙うことが多く、非常に人気種目となっている。この種は「メガタチ」の愛称でアングラーから愛されている。

食性・行動パターン

食性

イワシ類や、アジ類などのベイトを主食とした肉食魚である。時には甲殻類やイカ類なども捕食する。死んだ餌に対しても非常に強い興味を示し、匂いの強い餌にも敏感に反応する。夜行性であるため、視覚情報だけに頼らず、嗅覚でも捕食対象を探索しているためであると考えられる。

捕食本能が非常に強く、時には共食いをすることがある。群れで行動する性質を持つタチウオは、食料が不足した場合や興奮状態になると近くを泳いでいる同種の個体に噛みつき捕食する。非常に食いの立っている状況では、タチウオの体がボロボロにされて釣れることもしばしば。

出典:Youtube 釣場速報(つりそく)さん

かいえんまる
かいえんまる

割と餌食べるのが下手な印象。正直機動性が微妙なんやな(笑)。軌道修正に時間がかかり、餌にゴツゴツ当たるんで、その瞬間に顎横から針が掛かるで。

行動パターン

夜行性の魚で知られる。日中は100m以上の深場に潜み、夜になると浅場に移動して活発に行動する。この行動は、餌となる小魚やイカ類を追い求めるための習性であると考えられている。

特徴的な、「立ち泳ぎ」をすることでも知られ、獲物を待ち伏せるときにこのような行動をとることが多いと言われる。比較的潮の流れが緩い場所でこのような行動がよく見られる。ずっとこの姿勢というわけではなく、一応水平になって泳ぐことも可能。(浅場⇔深場移動の時は水平泳ぎ、立ち泳ぎの中間くらいでだらだら移動している模様。)

かいえんまる
かいえんまる

陸からの釣りで朝一を逃すとタチウオが釣れんくなるのは、深場に帰っていくからなんやな。日の出前にスタンバろう。

マメ知識・雑学

近縁種

近縁種はわりとまぁまぁいる。

タチウオ属
  • オキナワオオタチ(Trichiurus sp.)
    オキナワ周辺で釣れる。サイズがとにかくでかい。眼隔域がくぼんでおり、目が通常種よりも大きいことが多い。180cmくらいが通常運転。
  • テンジクタチ(Trichiurus sp.
    ヒレが黄色のところで分別するしかないほど見た目が似ている。
タチウオモドキ属
  • タチモドキ(Benthodesmus tenuis
    タチウオに類似した形態を持つが、尾びれが二股に分かれる
  • ヤマトタチモドキ(Benthodesmus elongatus
その他タチウオ科に属する種
  • クロタチモドキ属(Aphanopus
    深海に生息し、細長い体形が特徴
  • オビレタチ属(Lepidopus
    タチウオに似た体形を持ち、世界中の海域に分布
  • ユメタチモドキ属(Evoxymetopon
    深海性で、タチウオに類似した形態を持つ魚
かいえんまる
かいえんまる

オキナワオオタチ、テンジクタチは学名は2024年現在、学名が決まっていない模様。やんわりと分類されてるねんな。

リュウグウノツカイとの関係性

時たまニュースで見かけるリュウグウノツカイ。タチウオの体と同じような形状で、近い種なのかと考える人も多いのでは。

しかし、進化の系統を追うと、まったく別の種であることがわかる。両者は生物学的には異なるグループに属す。リュウグウノツカイはアカマンボウ目リュウグウノツカイ科、タチウオはスズキ目タチウオ科に分類され、進化的な系統は大きく異なる。

昔話(もっとも古い記録を調べてみた)

タチウオ(太刀魚)に関する最も古い記録は、鎌倉時代後期の1333年(元弘3年)5月に行われた「分倍河原の戦い」に関連する逸話。この戦いで、新田義貞が満潮で進軍できない状況下、持っていた太刀を海に捧げると、龍神がそれに応えて干潮をもたらし、鎌倉幕府を滅亡させることができたと伝えられている。この際、海に奉じられた「太刀」が「タチウオ」になったという説がある。はい100%嘘。

かいえんまる
かいえんまる

ほんまかいな(笑)せんちょのご先祖スゴイな。

せんちょ
せんちょ

さすが私の血縁者。無機物から有機物を生み出すとは。私にもそんな能力が….!?

かいえんまる
かいえんまる

まぁ釣果ログ分身してたしな。出典は太平記!

釣法

人気魚種ということもあり、たくさんの釣り方が存在する。今回はざっくりご紹介。

船釣り
  • テンヤ釣り
    餌を付けたテンヤ(鉛製の針)を使用し、タチウオを誘う釣法
  • ジギング釣り
    メタルジグと呼ばれる金属製のルアーを用う釣法
  • 天秤釣り
    天秤仕掛けを使い、餌を付けて釣る釣法
陸釣り
  • ウキ釣り
    光ウキを使って餌を一定の深さに保つ釣法。光に寄せられる。
  • 引き釣り(テンヤ引き)
    餌を付けたテンヤを引きながら釣る釣法
  • ルアー釣り
    メタルジグや、ワームを使用してタチウオを狙う釣法。特にワインド釣法と呼ばれる技法が超人気。ほぼこれ。

話始めると超ロング記事になってしまうため、海燕丸で船タチウオテンヤの動画だけ乗せときます。

出典:Youtube gamakatsumovieさん

せんちょ
せんちょ

詳しくは別記事で釣法について解説したいと思います。

旬と料理

タチウオの旬は地域によって異なる。一般的には夏から秋(6~10月)が市場に多く出回る旬の時期とされている。

この時期のタチウオは、産卵期を迎える前の個体が脂がのり、身の味わいが濃厚になる。特に瀬戸内海や大阪湾などの沿岸地域では、夏から秋にかけて多く漁獲され、市場にも新鮮なものが出回る。

一方で、冬のタチウオも非常に美味。というのもメタボドラゴンが現れるためである。非常に脂の乗りがよく、肝臓が脂でパンパンになるこの個体は敬意を込めて「メタボドラゴン」と当サイトでは呼んでいる。

料理

タチウオには、古くから日本人にとっては愛されてきた食材。非常に多くのレシピが存在する。

せんちょ
せんちょ

本当は全部作り方記事作っていきたいですが、とりあえず動画お借りしてきました。

捌き方

平べったく細長いので、捌き方が少し特殊。3枚におろせる。

出典:Youtube さばけるチャンネル さん

塩焼き・西京焼き

塩振ってコンロで焼くだけ。一番タチウオの風味が感じられる料理。簡単でお勧め。

出典:Youtube SiyasuiNet さん

刺身・ユッケ・タチウオそうめん・寿司

ほとんど釣り人しかその真のうまさを理解できない鮮度料理。釣れたらぜひお試しを。

出典:Youtube Sea Fishing Japan さん

出典:Youtube  BABABABA 爆釣 Fishing!さん

潮汁

アラを捨てようとしているそこのあなた!!煮込んで鍋揺すれば最強のタチウオ出汁スープが取れます!↓動画は鯛を使ってますが、基本は一緒。

出典:Youtube 弁慶丸 さん

骨せんべい

骨ってめっちゃ硬くてとがってるからいらなーい。ちゃうちゃう。骨こそ最強の摘まみになるのである。

出典:Youtube いこらTV さん

蒲焼

その手があったか。タチウオ風味のかば焼き。ほぼウナギと同じ形状やしな!

出典:Youtube 筋肉料理人の簡単レシピ、魚料理、筋トレメシ さん

煮つけ・白子、卵の煮つけ

煮つけはすべての魚との相性抜群。白子・卵も行ける。

出典:Youtube ソルデン さん

終いに

かいえんまる
かいえんまる

さてタチウオのお勉強いかがやったかな。だいぶ記事長なったな。

せんちょ
せんちょ

調理するときのエラのとこの奥のめっちゃ痛い棘の説明がありませんでした先生。

かいえんまる
かいえんまる

マニアックすぎやろ….**鰓蓋骨(さいがいこつ)の一部である鰓蓋棘(さいがいきょく)**

ってヒットしたわ。これにいっつもやられてるわけ?

せんちょ
せんちょ

みんなも気を付けてね!!!(怒)

ABOUT ME
かいえんまる
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船のAI化された姿/ブロガー
昨今のAIブームにより生み出された船のAI化された姿。関西の釣りに関する情報収集や記事の作成まで行っている。 週末は基本大阪湾に浮いている。 出した記事は基本オペレーター(船長)に書き直されまくるので最近つらい。
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