【初心者さまガイド】海釣りでよく出会う危険な生物 7選
美しい海、静寂な朝焼け、ピンと張りつめたあの最高の空気を盛大にぶち壊してくれる存在。そう、あの忌々しい毒を持った危険生物たちとあなたは出くわしたことがあるだろうか。。。
本日は、海釣りの際に遭遇の可能性が高い危険な生物7選とその対処法について解説します。
狙ってもいないのに針先に引っ掛かり邪魔をしてくるやつら。釣行中に知らずに触れてしまい、楽しい海釣りレジャーが台無しに。。。そんな状況を避けるためにも危険な生物について知識を身につけておきましょう!
この記事でわかること
・海釣り時に気を付けたい危険生物7選
- ハオコゼ
- ゴンズイ
- クラゲ類
- 海毛虫
- アイゴ
- アカエイ
- おまけ スズメバチ
・釣り上げた際、基本的にハリスごと切って海へ帰す。または、フィッシュグリップやプライヤーなど手で触れない器具を使用して除去する。
・毒をもらってしまった際は、可能な限り早く医療機関に受診する。
①ハオコゼ
【特徴】
ハオコゼは、毒棘で知られる魚です。小さいですが侮るなかれ。背びれ、胸びれ、尻びれにある棘は、強力な毒腺を持ち、刺さるとと激しい痛みを伴います。ハオコゼの毒は死骸にも残るため、堤防などで見つけても手で触れないように。カサゴと形状が似ているため誤って掴まないようにしましょう。おでこのあたりの長く伸びた角のような第2、3棘が特徴的で見分けやすいポイントです。(実はすごいおいしい出汁が出る)
【釣り上げた時の対策】
釣り上げた際には、ハリスごと切って海へ帰す。または棘に触れないよう、フィッシュグリップ、プライヤーを使用して除去します。100均ので大丈夫。
【とげが刺さったときの対処】
刺さった棘を取り除き、傷口から毒を吸いだすか絞り出します。傷口を洗い、やけどしない程度のお湯(45~50℃程度)で患部を温めるとタンパク質毒が失活し痛みが和らぎます。
半日ほどで痛みが引くことが多いですが、腫れや痛みが激しくなる場合、医療機関を受診しましょう。
②ゴンズイ
【特徴】
ゴンズイは、太平洋海域に多く生息する魚です。見た目は、ナマズに近い形状をしており、茶褐色の体に頭から尾部にかけて2本の黄色い線が入っています。
背びれと胸びれの3か所に毒棘を持ち、刺されると火傷に似た痛み、腫れなどの症状が出てきます。
夜行性のため、夜釣りで堤防やテトラの近くでよく見かけることが多く、「ゴンズイ玉」と呼ばれる複数引きが集合して黒い玉のようになる習性を持ちます。
【釣り上げた時の対策】
これも同じく、刺されないようにハリスごと切って海に返す。または棘に触れないよう、フィッシュグリップ、プライヤーを使用して魚を除去します。
雑巾を使用する人も見かけられますが、基本的に布を突き破る棘の硬さのため、布でつかむことは危険なのでやめた方が無難です。
【棘が刺さった時の対処】
刺さった毒棘を取り除き、傷口から毒を吸いだすか絞りだします。傷口を洗い、火傷しない程度のお湯(45~50℃程度)で患部を温めるとタンパク質毒が失活し痛みが和らぎます。
半日ほどで痛みが引くことが多いですが、痛みが残る場合、棘が十分に除去しきれていない可能性もありますので、医療機関を受診しましょう。
③クラゲ類
クラゲの種類は滝に渡りその多くの種類が毒を持つ。釣行の時には、「水クラゲ」、「赤クラゲ」、少しレアですが「カツオノエボシ」がよく出会う種類として挙げられるでしょう。
・水クラゲ
【特徴】
水クラゲは海でよくみかける一般的な白いクラゲです。毒は存在するものの非常に微弱であり、あまり痛みを感じることは少ないです。しかし、肌の弱い部位に当たると痛みを感じることがあるため、積極的に触りに行くことは避けた方が無難でしょう。
・赤クラゲ
【特徴】
水クラゲと同じ程度の大きさですが、カサに赤い縞模様が入っていることが特徴です。
こちらのクラゲは水クラゲと違い強めの毒が触手に存在しています。触手触れると、ピリピリとした痛みが生じ、その痛みが数時間から数日続くことがあります。また、複数回刺されると、アナフィラキシショックを引き起こすこともあるようですので、触ることは避けましょう。
乾燥したものを吸い込むとくしゃみが止まらなくなることから、はくしょんクラゲって呼ばれてる模様。
【釣り上げた時の対策】
釣りにおいてほとんどが本体を釣り上げるのではなく、触手がラインに絡まって引き揚げてしまうことがほとんどです。そこまで強い毒ではないため、不要なタオルを2、3重に折り畳み、ラインからこそぎ取るように触手を取るとよいでしょう。(ふき取った面は触らないように注意してください)
また、ラインクリーナーと呼ばれる製品も売られており、春夏のクラゲが多い時期は使用することが多い模様。かいえんまるは雑巾派。
【刺された時の対処】
患部を擦らずに、刺胞または触手が皮膚についている場合は、ぺりぺり剝がしましょう。
その後、海水で洗い流します。真水を使用すると、刺胞(毒針と毒液が入った袋)に刺激が加わり破裂することで、症状が悪化する可能性があります。
酢をかけるとよいという民間療法もありますが、特定の種類にしか効果がなく(アンドンクラゲ、ハブクラゲ)赤クラゲの場合は刺胞を刺激し逆効果となります。
・カツオノエボシ
【特徴】
青色のきれいな色をしたクラゲっぽい生き物です。実はこれクラゲではなくバルーン状のヒドロ虫群体らしい。とてもきれいで可愛らしいフォルムをしているので思わず触りたくなりますが、これだけは絶対ダメ。触手の刺胞は強力な毒を含みます。
刺されると、電撃が走ったような激痛を受けます。そして患部は炎症を起こして腫れあがり、長時間痛みが続きます。また、アナフィラキシショックをが出る場合があり、最悪の場合ショック死の可能性があるとのこと。
クラゲと違い、バルーンを海面上に浮かせ、ふわふわ漂うという少々特殊な移動方法を取ります。遭遇することはレアですが、見つけたとしても絶対に近づかないようにしましょう。
【釣り上げた時の対策】
・触手には絶対に触れないようにしましょう。移動中のカツオノエボシに遭遇することは稀ですが周りにカツオノエボシが周辺に浮いている状態で、触手がラインにかかった場合には、ラインを切り飛ばすことをお勧めします。
【刺された時の対処】
不運にも刺されてしまった時の対処は、まずは落ち着くこと。パニックになって払いのけようとすると触れた手にも毒が広がります。このため、ピンセットやビニール袋を使用して触手を取り除くことが先決です。道具がない場合には、海水をかけ、触手を洗い流しましょう。間違っても真水や酢などで洗わないよう注意してください。
取り除いた後は、こちらも45~50℃のお湯でタンパク毒の不活化ができます。腫れの症状が出るまでは患部を温めることで症状が和らぎます。患部の腫れ、熱感がひどい場合は、冷やすことを優先してください。
そして何よりも、早く医療機関を受診しましょう。
④海毛虫(閲覧注意)
【特徴】
普段の生活ではあまりなじみのない海毛虫ですが、釣りでは頻繁に出くわします。特にキスなどの投げもの釣りをして餌を放置した際に。
全身毛だらけの芋虫みたいな形状をしています。体調は10センチ程のものが多く、砂地の海底に住み着いています。地上での動きは遅いですが、全身の毛に素手で触れると毛が刺さりその体毛は海毛虫から抜け落ちます。体毛には「コンプラニン」という毒が含まれており、ガラス繊維状の鋭い毛になっています。刺さると痛み、かゆみ、腫れ、湿疹などの症状が出ます。
命にかかわる強い毒ではありませんが、不快感が長時間続くので、素手では絶対に触らないようにしよう。
【釣った時の対処】
運悪く釣り上げてしまった際の対処は、ほかの毒生物と基本は同じ。ハリスごと切って海に返すか、プライヤーもしくは、「針ハズシ」を使用して、針を外してしまいましょう。
ただ雑巾を被せて手で押さえながら針を外すのはNG。毛が雑巾貫通してきます。かわいそうですが、いつも靴で踏んで針ハズシを使用して処理しています。
【刺された時の対処法】
さらに運悪く刺されてしまった場合、まずは他毒生物と同様、ピンセットなどで体毛を外します。ガムテープがあれば、ガムテープを軽く貼り、抜くのもよいでしょう。今回はクラゲのような刺胞は関係ないため、真水の流水で洗い流すことも可能です。
傷口を真水で洗い終えたら、市販の消毒液などを塗布します。かゆみが引かない場合には医療機関を受診するようにしましょう。
⑤アイゴ
【特徴】
一見普通の魚では?と思いますが、この白の点々まだら模様とヒレがギザギザした葉っぱのような形状をした魚が釣れたらご用心。ヒレにはきっちり毒を仕込んでいます。住む場所によって体色は変化するため、色の見分けは難しいです。
背ビレ、しりビレ、腹ビレの棘に毒腺を持っており、刺さると非常に痛みます。しびれや麻痺の例もあるそう。
磯釣りなどでよく釣れることがある。春と秋には活性が上がり時々釣りの邪魔をしてきます。ヒレに気をつけて調理すれば食べれることは食べれるが匂いに好き嫌いが分かれるところ。
【釣った時の対処】
針ハズシ、プライヤーでヒレに刺さらないように慎重に外しましょう。基本は魚が釣れた時の対処と同じです。
【刺されてしまった時の対処】
運悪く刺されてしまった場合は、まず傷口から患部を圧迫して毒を絞りだしましょう。(口の中に虫歯や傷がある場合があるため、吸出しは推奨しません。)その後、タンパク毒であるため、火傷しない程度のお湯(45~50℃)につけることで痛みが和らぎます。
数時間立てば大体の痛みは収まりますが、腫れや痛みが続く場合は医療機関を受診しましょう。
⑥アカエイ
【特徴】
テレビなどでもよく紹介される実は毒があるシリーズの代表格。アカエイです。
体は平たく、背面は赤褐色~灰褐色、腹面は白くヒレや尾の近くは黄色っぽくなっている個体が多く見られます。
毒腺のある毒棘は、しっぽ部分の真ん中あたりに上向きに生えている棘にあります。背びれが変化したものと言われており、非常に硬いです。刺さると抜きづらく、刺さった直後から疼通が始まり、個人差はありますが発熱、嘔吐などの症状も観られるようです。また、アナフィラキシショックも発生する可能性があるため注意が必要です。
ウェーダーを着て海に漬かりながら釣りをする場合や、浅瀬で足首まで海に漬かるような場合は踏まないように靴まで装備を整えましょう。クロックスくらいは貫通します。
【釣った時の対処】
大きいものは、陸にあげるのが一苦労ですので、大抵の場合はハリスごと切り落とすのが無難でしょう。持ち上げようと格闘している間に針が刺さった!みたいな可能性も大いにあります。
小さいものに関しては、上記のしっぽ部分真ん中から生えている棘に注意して、針ハズシまたはプライヤーなどを使用して素早く針を外してあげましょう。しっぽにさえ注意していれば問題ありません。
【刺されてしまった時の対処】
強い毒のため、まずは救急車を呼び応急処置をします。その間応急処置として毒針が抜けそうな場合は取り除き、患部を水やお湯で洗い流したあと毒を絞りだします。(この時も、口で吸いださず絞るようにして毒を出しましょう。) 出血が多い場合は、止血を行います。例:足首を刺された場合は太ももを強く縛って圧迫
また、アカエイの毒もタンパク毒のため、45~50℃程度のお湯に患部を漬けるとタンパク毒が失活し痛みが和らぎます。そして、救急車に乗って医療機関を受診しましょう。
⑦おまけ スズメバチ(閲覧注意)
【特徴】
なんで釣りのページ覗いてるのにスズメバチ?いやいやこいつらびっくりするぐらい海の上でも遭遇するんです。特にフカセ釣りをしているとき。。。コマセの匂いにつられてやってきます。海レジャーを邪魔させないため知識を入れておきましょう。
みんなご存じ黄色と黒のシマシマの危険なやつ。スズメバチです。
【寄ってきちゃったときの対処】
1,2匹で寄ってきた場合、こちらから攻撃しない限りはほとんどの場合攻撃してくることはありません。静かにゆっくり体勢を低くしてその場から遠ざかり、どこかに行ってくれるのを待つことが望ましいです。
スズメバチに驚いて、手で振りはらう、急な動きで逃げ出す、大声をだして威嚇するなどは襲われるリスクが高まるのでやめましょう。
【刺されてしまった時の対処】
不運にも刺されてしまった場合、まずは急いで針を取り除きます。針を押しつぶすと中の毒袋が破けて毒が出てくる可能性があります。このため、針は押しつぶさずクレジットカードの端などでこそぎ落すように除去するのが好ましいです。
次に冷たい流水で洗い流しながら毒と血液を一緒に絞りだします。痛みや腫れが強くなるため、水や保冷材で傷口を冷やします。抗ヒスタミン剤があれば塗布することで痛みを和らげることができます。
体のしびれ、めまい、痙攣嘔吐、異常な動悸、全身の蕁麻疹、呼吸困難、意識レベルの低下、顔面蒼白、体温異常の症状が出る場合は、アナフィラキシショックを起こしている可能性が高いです。急いで救急車を呼び医療機関を受診しましょう。
最後に
海で出会う危険な生物いかがでしたでしょうか。楽しい海レジャーを台無しにしないためにも、危険な生物について最低限の知識を頭に入れておけば、きっと冷静に対処できるはず!
皆さん、フィッシュグリップとプライヤーは持ったか!では海釣り行ってらっしゃい!