釣った魚の冷凍保存ガイド|下処理・真空パック・解凍方法

あー1か月前の冷凍魚が冷凍庫の底から出てきた・・・これまだ食べれるかな?

せんちょ、食べられるかどうか復習してから食べてや?
釣った魚を当日や翌日に食べきれないときは、冷蔵で粘るよりも冷凍保存に回す方が扱いやすくなります。
当日(0日目)〜翌日(1日目)までに食べる魚の冷蔵保存については、下の記事でまとめています。

この記事では、翌々日(2日目)以降に食べる魚を、冷凍保存する方法についてまとめます。
ただし、冷凍は魚の鮮度を復活させる方法ではありません。
常温で長く置いた魚や、すでににおい・ぬめり・変色がある魚を、冷凍したから安全に食べられるようになるわけではありません。
冷凍保存で大事なのは、できるだけ良い状態のうちに下処理して、使いやすい形で冷凍することです。
この記事では、釣った魚を冷凍保存するときの保存期間の目安、冷凍前の下処理、真空パックの使い方、解凍方法を整理していきます。
まず結論|冷凍保存は「早めに下処理して小分けする」
釣った魚を冷凍保存するなら、早めに下処理して、1回分ずつ小分けするのが基本です。
冷凍は、魚の鮮度を復活させる方法ではありません。
釣った後から冷やせている魚を、使いやすい形で残すための方法です。
冷凍前には、内臓・うろこ・エラを取り、水分をしっかり拭き取ります。
そのうえで、ラップや保存袋、真空パックで空気に触れにくくして冷凍します。
日付・魚種・用途を書いておくと、あとで使いやすくなります。
冷凍保存はどのくらい持つ?保存期間の目安

釣った魚を冷凍した場合でも、家庭用冷凍庫で永久においしく保存できるわけではありません。
冷凍すると傷みの進行は遅くなりますが、時間がたつと乾燥・酸化・冷凍焼け・におい移りが出てきます。
そのため、ここでは「食べられる限界」ではなく、「おいしく使いやすい目安」として考えます。
| 保存するもの | おすすめの目安 | 考え方 |
|---|---|---|
| 刺身候補として冷凍した魚 | できれば1〜2週間、長くても1か月以内 | 解凍後も状態確認が必要。不安があれば刺身にしない |
| 加熱用の切り身・柵 | 1〜2か月以内 | 焼く・煮る・揚げる用。脂の多い魚は早めに使う |
| 真空パック冷凍した魚 | 2〜3か月以内 | 乾燥・酸化・冷凍焼けを抑えやすく、長めにおいしさを保ちやすい |
| アラ・頭・骨 | 2週間〜1か月以内 | においが出やすいので、あら汁や出汁用に早めに使う |
| 調理済みの魚 | 2〜4週間以内 | 味や食感が落ちやすいので、早めに食べきる |
真空パック冷凍のメリットは、魚を空気に触れにくくできることです。
普通にラップと保存袋で冷凍するよりも、乾燥や冷凍焼けを抑えやすく、おいしく使いやすい期間を伸ばしやすくなります。
目安としては、普通の冷凍なら1〜2か月以内に使いたい魚でも、真空パック冷凍なら2〜3か月ほど状態を保ちやすくなります。
もちろん、魚種・下処理・冷凍庫の状態によって変わるため、真空パックすれば必ず長持ちするという意味ではありません。
また、真空パックは魚の鮮度を復活させる方法ではありません。
冷凍前に内臓・うろこ・エラを取り、水分をしっかり拭き取ってから使うことが大事です。
釣れた魚を少し長めに冷凍したいなら、真空パックはかなり便利です。
特に、柵・切り身・多めに釣れた魚を保存するときは、冷凍庫内での乾燥やにおい移りを抑えやすくなります。

真空パックは冷凍保存の強い味方やな。ただし、雑に処理した魚を救う魔法ではないで。
冷凍保存の前提|冷凍する前から冷やせていること

持ち帰った時点で状態が悪い魚を、冷凍庫に入れたからといって安全な状態に戻せるわけではありません。そのため、冷凍保存を考える前提として、釣った直後からできるだけ低温で持ち帰れていることが大事です。
釣った魚は、クーラーボックスに入れてしっかり冷やします。特に夏場や気温の高い日は、常温で置いている時間が長いほど状態が悪くなります。
サバや青物など、傷みやすい魚は特に注意が必要です。エラや内臓まわりは傷みやすいため、できるだけ早めに処理します。持ち帰った魚に、強いにおい、強いぬめり、変色、身の崩れなどがある場合は、冷凍せず食べない判断も必要です。
「冷凍するかどうか」は、冷凍庫に入れる前から始まっています。釣った後にきちんと冷やせている魚だけを、冷凍保存候補にするのが基本です。
また、釣った魚の締め方・持ち帰り方は、下記記事で詳しく解説しています。↓

釣った魚を冷凍保存する基本手順

冷凍保存で特に大事なのは、水分を残さないこと、空気に触れにくくすること、1回分ずつ分けておくことです。
① 帰宅後も常温に放置しない
冷凍する魚も、帰宅後に常温で長く置かないことが大事です。
すぐに処理できない分は、クーラーボックスで冷やしたまま順番に処理します。
② 内臓・うろこ・エラを取る
冷凍前に、内臓・うろこ・エラを取っておきます。
特にエラと内臓はにおいの原因になりやすいため、残したまま冷凍しない方が扱いやすくなります。
③ 血合い・ぬめり・汚れを落とす
腹の中の血合い、表面のぬめり、汚れを流水で落とします。
ここが残っていると、解凍後に生臭さが出やすくなります。
④ 表面と腹の中の水分を拭き取る
洗ったあとは、キッチンペーパーで水分をしっかり拭き取ります。
水分が多いまま冷凍すると、解凍後にドリップが出やすくなります。
⑤ 用途別に小分けする
刺身候補、焼き魚用、煮付け用、唐揚げ用、アラ汁用など、使う形に分けてから冷凍します。
大きなまま冷凍すると、使うときに解凍しにくくなります。
⑥ ラップまたは真空パックで空気に触れにくくする
ラップで包む場合は、魚の表面にできるだけ密着させます。
真空パックを使う場合は、水分をしっかり拭き取ってから袋に入れます。
空気に触れる部分が多いと、乾燥や冷凍焼けが起こりやすくなります。
⑦ 保存袋に入れる、または真空パックのまま密閉する
ラップした魚は、保存袋に入れて空気をできるだけ抜きます。
真空パックの場合は、そのまま密閉して冷凍します。
袋が破れていると乾燥やにおい移りの原因になるため、冷凍前に確認します。
⑧ 日付・魚種・用途を書いて冷凍する
最後に、袋の表面に日付・魚種・用途を書いておきます。
これを忘れると、冷凍庫の奥から正体不明の魚が出てくることになります。
冷凍した魚の解凍方法|基本は冷蔵庫解凍

冷凍した魚は、解凍方法でも状態が変わります。
雑に解凍すると、ドリップが多く出たり、生臭さが出たり、身が水っぽくなることがあります。
基本は、前日から冷蔵庫へ移して、低温のままゆっくり解凍します。
解凍後は、表面の水分をキッチンペーパーで拭き取り、早めに調理します。
また、一度解凍した魚は、基本的に再冷凍はNGです。
再冷凍すると食感が落ちやすく、解凍中に温度が上がった魚は衛生面でも不安が残ります。
使う分だけ小分けして冷凍しておくと、再冷凍を避けやすくなります。
冷蔵庫解凍
一番失敗しにくいのは、冷蔵庫でゆっくり解凍する方法です。
前日から冷蔵庫へ移しておけば、魚の温度が上がりにくく、ドリップも出にくくなります。
ドリップが出ることがあるので、皿やバットに乗せて解凍します。
解凍後は、表面の水分を拭き取ってから調理します。
刺身候補として冷凍した魚は、特に冷蔵庫解凍を基本にします。
流水解凍
急いで使いたいときは、袋に入れたまま流水解凍します。
魚を袋から出したまま水に当てると、水っぽくなりやすいので避けます。
袋に穴が開いていないか確認してから、流水に当てて解凍します。
解凍できたらすぐに取り出し、水分を拭き取って早めに調理します。
流水解凍した魚を、そのまま長時間置きっぱなしにしないようにします。
冷凍NG例|せんちょの反省部屋

ここからは、実際にやらかした冷凍保存の失敗例です。
冷凍庫に入れたからといって、魚がずっとおいしいまま残るわけではありません。
雑に冷凍すると、未来の自分にしっかり返ってきます。
水分を拭かずに冷凍して、霜まみれ事件
魚を洗ったあと、水分を拭くのが面倒で、そのまま冷凍したことがあります。
後日解凍すると、魚の表面に霜がびっしり。
身も水っぽくなって、かなり残念な味になりました。
「うまみが氷に逃げた」というより、水分が多いまま凍ったことで、解凍時にドリップが出やすくなったのだと思います。
冷凍前は、表面だけでなく腹の中までキッチンペーパーでしっかり水分を拭き取ります。
キッチンペーパーごと凍らせて、生臭さ密着事件
水分対策のつもりで、キッチンペーパーを巻いたまま冷凍したこともあります。
これが失敗でした。
解凍すると、魚に張りついたキッチンペーパーが生臭い。
しかも、そのにおいが身に戻ってきたような感じがしました。
キッチンペーパーは、水分を拭き取るための道具です。
冷凍するときに一緒に巻いたままにすると、魚から出た水分やドリップを吸った紙が、身に密着してしまいます。
水分を拭き取ったら、キッチンペーパーは外します。
そのあと、ラップ・保存袋・真空パックで包みます。
血合いを落とさず冷凍して、生臭さ倍増事件
背骨沿いの血合いを雑に残したまま冷凍したことがあります。
解凍後に焼いてみると、いつもより血なまぐさい感じが強く出ました。
冷凍中に血が急に悪くなったというより、残った血合いや汚れのにおいが、解凍後に目立ったように感じました。
冷凍前は、内臓を取るだけで終わらせず、背骨沿いの血合いまで流水で落とします。
そのあと、水分をしっかり拭き取ってから冷凍します。
薄いポリ袋で冷凍して、カリカリ冷凍焼け事件
適当な薄いポリ袋に魚を入れて、そのまま冷凍したことがあります。
空気も残ったまま。
袋も薄い。
数か月後に出すと、魚の表面が乾いてカリカリになっていました。
焼けば食べられないことはありませんでしたが、身はパサパサ。
かなり冷凍焼けした感じでした。
冷凍するなら、ラップを魚に密着させてから保存袋に入れ、できるだけ空気を抜きます。
長めに置きたい魚は、真空パックにした方が安心です。
ラップだけで数か月放置して、正体不明の魚ミイラ事件
ラップだけで包んだ魚を、冷凍庫の奥に入れっぱなしにしたことがあります。
数か月後に発掘すると、いつの魚か分からない。
魚種も分からない。
表面は乾いて、ほぼ魚のミイラ。
ラップだけでも短期間なら使えますが、長く置くなら保存袋や真空パックで空気に触れにくくした方がよいです。
そして、袋の表面に「日付・魚種・用途」を書いておきます。

冷凍庫の奥から出てくる正体不明の魚、だいたい過去の自分からの置き土産なんですよね。

未来の自分に迷惑かけんように、せめて日付と魚種は書いとこな。
まとめ|冷凍保存は「未来の自分が使いやすい形」で残す
釣った魚の冷凍保存は、魚の鮮度を復活させる方法ではありません。
釣った後から冷やせている魚を、早めに下処理して、あとで使いやすい形で残すための方法です。
迷ったときは、次の基準で考えます。
・翌々日(2日目)以降に食べる魚は、早めに冷凍へ回す
・冷凍前に、内臓・うろこ・エラを取る
・血合い・ぬめり・汚れを落とし、水分をしっかり拭き取る
・1回分ずつ小分けして、空気に触れにくく包む
・長めに置きたい魚は、真空パック冷凍を検討する
・解凍は冷蔵庫解凍を基本にする
・日付・魚種・用途を書いておく
冷凍庫に入れる前のひと手間で、解凍後の味も、使いやすさもかなり変わります。
釣れすぎた日は、「今食べる分」「翌日までに食べる分」「冷凍する分」に分けて、未来の自分が困らない形で残しておきましょう。
参考情報
・厚生労働省:アニサキスによる食中毒を予防しましょう
・FDA:Selecting and Serving Fresh and Frozen Seafood Safely
終いに!

数か月後に、お腹が減って何かないかと探しているとき、数か月前の自分からの贈り物を見つけることがあります。アジの開きが出てくるんです。結構ほっこりします。時々ミイラが発見されますが。
きちんと保存しておけば、焼くだけで使える心強いストックになります。日本酒と一緒に数か月前の思い出に浸るのもまた乙なもんです。皆様よきフィッシングライフを!
また次回の記事でお会いしましょう!さらば!
